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ジムニー用エアエレメントの性能比較について

PROFESSIONAL MAINTENANCE

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タニグチの本社ショールームに直接ご来店頂いたお客さんで、エアエレメントの商談をされた場合に高確率で見て頂いている、非常に分かりやすい実験をご紹介します。 左の写真の装置は、簡易的にエアエレメントケースと吸気管を再現したものです。下部の台形の箱がエアエレメントケース(空気の吸い込み口)で、上に伸びる円筒が吸気管(エンジン側)と思ってください。 また、吸気管の中にピンポン球が用意され、この球の持ち上がり具合で吸気の流量が分かる仕組みになっています。

 

 

 

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台形の箱の中には、パソコンなどの冷却に使うような小型の電動ファンが2機仕込んであり、この羽根の回る勢いでピンポン球を持ち上げます。

 

 

 

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まずは、この装置がどんな仕事をするものなのかの確認する意味も含めて、エアエレメントなしの状態で電動ファンを回します。 すると、ピンポン球が勢いよく最も高い位置まで跳ね上がりました。エンジンがたくさん空気を吸えている=パワーが出る、という意味ですね。この状態を基準に、3種類のエアエレメントの性能の違いをご覧ください。

 

 

 

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ひとつ目のエアエレメントは、スズキ純正のJB23用エアエレメントです。下部のケースにエアエレメントをはめた瞬間、ピンポン球がストンと最下段まで落ちてしまいました。エアエレメントがゴミやホコリなどを取り除くのと同時に、吸気に抵抗が生まれたという意味です。

 

 

 

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ふたつ目のエアエレメントは、タニグチオリジナルの「ソルブエアフィルター」のJB23用です。純正エアエレメントの時とは異なり、吸気管のかなり高い位置にピンポン球が浮いていることが分かります。それだけ、吸気の抵抗が少ないということです。

 

 

 

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なぜ、純正(写真左)とタニグチ製(写真右)でこれだけの差が生まれたのか? と言いますと、フィルターとしての性能はほとんど同じ物なのですが、折り返しの回数を純正が18折なのに対しタニグチ製は22折と2割以上も増やすことで、吸気の抵抗を下げていたんですね。 なので、たくさん空気が通っても、ゴミやホコリを取り除く能力は純正と全く同じなんです。もちろん、寿命やタレ具合の点も純正と同じと思ってください。

 

 

 

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そして、3つ目のエアエレメントが、K&N製の「スーパーエアクリーナー」です。こちらの効き具合は別格で、下部のケースにエアエレメントを装着しても、ピンポン球の位置がピクリとも動きません。 実は、このエアエレメントは湿式を採用しているので、フィルターの目の細かさだけでなく、フィルターを覆う油分も利用してゴミやホコリを取り除くので、純正品以上に不純物を除去する能力を持つのに、吸気抵抗が極端に低いんですね。砂埃がキツいハイスピードのオフロードレースで、圧倒的な使用率なのもうなずけます。 さらに、K&Nスーパーエアクリーナーは、専用の洗剤で優しく洗い日陰に干した後、専用オイルでメンテナンスをすることで、何度も新品同様に戻る点も特徴のひとつです。

 

 

タニグチでは、予算や型式に合わせてこんなラインアップの在庫を常時ご用意しています。